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焼肉店の一番の売れ筋メニューといえばカルビ、タン塩、ハラミなどですが、焼肉のメニューには韓国語に由来するものが多いのです。
焼肉の王様であるカルビは、あばらの肉の部位に当たりますが、韓国語であばらを「カルビ」といいますので、この名称が一般的に使われるようになったものです。
牛には4つの胃がありますが、このいずれもが韓国語から由来しています。
内臓類で人気のあるコリコリとした触感の「ミノ」は、牛の第1胃の部位です。この部分を切り開くとちょうど簑笠のように三角形になる。韓国語ではこのたぐいを総称して「月會笠(フェカッ)」と呼ぶことがあり、この笠(カッ)を日本語で簑(みの)と呼ぶので、屠場用語として「ミノ」という言い方が定着したのです。
第2胃は「ハチノス」です。この肉はまるで蜂の巣のような形状をしているのですが、蜂の巣のことを韓国語では「ポルチプ」といいます。つまりハチノスはこのポルチプを日本語に訳したものなのです。この肉は焼いて食べるよりも韓国料理ではスープ(大変滋養があり風邪をひいたときなどによく飲まれ、食べられます)にしたり、軽く茹でて酢ミソで食べるのが一般的で、日本の焼肉店ではコムタンスープに入れているところもあります。また、茹でたものを出す焼肉専門店も結構増えています。
第3胃は「センマイ」です。センマイは韓国語の「千葉(チョニョプ)」がもとで、「千」はひだが無数にあることから使われた文字で、「葉」は「枚」と同じ意味です。ですから「センマイ」はこの「千枚」からとったものです。
第4胃は「赤センマイ」ですが、センマイのひだが黒いのに比して肉の色が赤いところから、センマイに「赤」がついただけのことです。
この赤センマイは関西地方の呼び名で、関東ではギャラあるいはギアラと呼びます。「ギャラ」の呼び名は、終戦直後、米進駐軍で働いていた韓国人らが米国人が食べない内臓を払い下げてもらってきたことから報酬の意味の「ギャラ」と言うようになったとの説もあります。
また、最近人気のホルモンですが、ホルモンは特にこれといった部位の名称に由来するのではなく、内臓類全般を指すものです。ホルモンの名称の由来は、「トピックス」で詳しく述べていますが、ホルモンといえば最近は大腸、小腸の部位を指しており、関西では大腸のことを「テッチャン」と正式に使っているところが多いようです。この「テッチャン」は「大腸」を韓国語でそのまま訳したものです。
このほかに内臓類ではチレ、フアというのがありますが、「チレ」韓国語の「腎臓」をそのまま訳したもので、「フア」は韓国語の「肺(プファ)」が変化したものです。
ロース、ハツ(心臓=ハート)、タンは英語の部位の名称です。
肉ではありませんが、肉を包んだり、ご飯を包んだりする野菜「サンチュ」も韓国語です。本来は日本でいうところのチシャなのですが、ほとんどの焼肉店ではサニーレタスを使っています。それでも名称は「サンチュ」と言っています。
このように、焼肉のメニューの名称は韓国語か英語に由来するものがほとんどといえます。これは、一部を除いて日本人が肉を食べるようになったのが明治以降と浅いことと関連しているようです。
ところで焼肉の本場韓国では、「焼肉」という言葉はなく、あるのは「ノビアニ」または「プルコギ」そして「カルビ」です。
「ノビアニ」は朝鮮王朝の宮廷料理であり、両班(両班=貴族)の家や、料亭で食べられたもので、肉は自分たちが焼きながら食べるのではなく、厨房で焼いたものをお皿に乗せて運び、食べる料理でした。
一方の「プルコギ」の意味は「プル=火」「コギ=肉」、つまり火の肉です。この名称は日本の支配時代にはなかったもので、普及し始めたのは朝鮮戦争以降のことです。当時、破壊された都市のあちこちの街角のバラック小屋で肉を焼いて売っている光景があったそうですが、これを正式な店舗の「ノビアニ」といわず、「プルコギ」と呼ぶようになったとのことです。
「カルビ」は、韓国ではすべて骨付きカルビのことで、甘く味付けしたものを「ヤンニョンカルビ」といい、何も味付けしていない生のものを「生(セン)カルビ」といい、これは焼いた後に、ごま油と塩につけて食べるのが普通です。
経済的に豊かになって以降、韓国でも自分で焼いて食べる日本のような焼肉店が当たり前となりましたが、このような焼肉店は元々は在日韓国人が始めた焼肉店の逆輸入番です。
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