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vol.87/2000年8月号 CONTENTS

食の文化史「マカロニ」

管の形にする器械のなかった日本ではマカロニをうどんの形にしてつくった。穴のあいた国産第一号は明治末に誕生した。

マカロニやスパゲッティを茹でるには細心の注意が必要です。あるイギリス人は「スパゲッティは淋しがり屋だ。ひとりにしてはいけない」といったといいます。できれば付き添って、ときどき食べてみるのがよい、といい、スパゲッティを茹でるには女性を扱うようにせよ、などともいわれます。

壁に投げつけ茹で加減判断
イタリア南部の町ナポリの人は、北部イタリアではスパゲッティの茹で加減を、つかんで壁に投げつけてみて、壁のくっつき加減で判断している、と信じていたということです。(「の」の字になってついて落ちなかったら合格?と読んだことがあります)。スパゲッティはナポリなどイタリア南部から始まったので、北部の人にとっては不慣れな時期があって、そのためにこんなうわさが流れたのでしょう。
女性になったり、投げつけられたり、スパゲッティも大変です。
それもこれも本格的なマカロニやスパゲッティには硬質小麦が使われるためその粉は粘りが強く、茹でるのに長時間かかるからです。私たちが手にするパスタ類はすべて乾麺(干し麺)で、生うどんや茹でうどん類と比べて、かなり手間がかかります。まして、日本でかなり早い時期にお目見えしていたインスタント・ラーメンの軽快さと比べると、その差は歴然で、日本での消費者への浸透を促進する目的で即席マカロニ・スパゲッティが工夫されたほどでした。
じっさい、中国を中心とする麺類文化が確立していた東アジアの国々へは、マカロニやスパゲッティはなかなか普及しませんでした。